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2006年1月 6日 (金)

ちっちゃな雪使いシュガー#20

『消えちゃった約束』

 いよいよ最終回に向けて物語が動き出しました。ここからは息をつく暇もない展開なので、一気に最後まで鑑賞する事をお薦めします。

 今回はサガの揺れ動く気持ちを、実に上手く表現しているシナリオだと思いました。ピアノが売れた事を知ったサガは、悲しい気持ちをおくびにも出しません。しかしピアノがグレタの部屋にあるとわかると気持ちを抑えきれずに爆発させます。この揺れ動くサガの内面を台詞で説明せずに、サガの行動や表情によって客観的に表現している描き方が実に巧みです。サガがお婆さんの前で普段の自分を繕う姿がとても痛々しいと感じてしまうのも、彼女が本心とは裏腹な行動をしているからだと思います。

 グレタが誕生日のプレゼントのピアノを弾く瞬間にサガの表情が変わる場面も見所です。ここはサガにとってどれくらいピアノが大切な物なのかが手にとるようにわかる瞬間です。そしてここからは客観的にサガを見せるのではなく、サガに感情移入させる主観的な描き方に変わります。その為にサガの母親の思い出をフィードバックさせています。この辺の創り方が実に上手いと思いました。あらゆる方向からサガの悲しみを、これでもか、これでもかと、表現するからこそ、視聴者はサガと一体になれるのだと思います。

「グレタにお願いすればいつでも弾きにいけるよ!良かったねサガ!」
これはシュガーの台詞ですが、サガに感情移入してしまった視聴者は、それは違うよ!サガは誰にもお母さんの思い出が詰まったピアノを触らせたくないんだよ!・・・と、思ったはずです。サガの内面を丁寧に描いたからこそ、このシュガーの台詞とサガの内面のギャップが表現できたのです。僕はこのような感情の流れを丁寧に描く構成は大好きです。素直に関心しました。

 サガのお母さんのピアノだと知ったグレタが、ピアノを傷つけないように大切に扱うシーンも泣けます。ピアノがサガにとってどれほど大切なものなのかを表現する一方で、グレタのジレンマを表現した上手い場面だと思います。

 今回は本当に素晴らしい脚本、演出でした。ただ、前にも書きましたが、サガがピアノを手放した理由が、「思い出がいっぱいあって辛いから…」だけでは弱いんですよね。だったら初めから手放さなければいいじゃないか!となってしまいますから。終盤の流れの根底がここに集約されるだけに、実に悔やまれる点です。

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コメント

こんばんは。いつもお世話になります。

さいたさんの感想を読んでいて、どうしてもシュガーが見たくなって20話を見直してしまいました。
このお話、本当にいいですね。アバンのいつもピアノがある空間が空白になっているところから、もう何もなくしなくないというサガのセリフまで、息つく暇もないです。

平静を装うサガが健気で、悲しい時には泣いちゃっていいんだよって、見ているこちらが泣けてしまいました。

物語最大のクライマックスがここから始まるわけですが、本当にこのお話を見てしまったら続けて次のお話を見ないわけにいかなくなりますね。

投稿: 横溝ルパン | 2006年1月 6日 (金) 18:24

横溝ルパン様

コメントを有難うございます。
TMdestinyさんがコメントを書いて下さった事が、滞っていたシュガーの感想を書くきっかけになりました。

僕も平静を装うサガを見ていると泣けてきます。お母さんを想うサガの気持ちが痛いほど伝わって来ますものね。

やっぱり終盤のシュガーはとても素晴らしいですね。僕もレビューをしつつ最終回まで見続けようと思っていますので、是非この機会にルパンさんも一緒に最終回まで御覧になって下さい。感動を共有しましょう!

投稿: さいた | 2006年1月 6日 (金) 21:41

とにかく見ていて辛いですよね。サガはピアノが無くなってしまって悲しいしグレタはそんなサガの事情を知って悲しいしこれからサガが元気を無くしていきますけどこれからどう立ち直った時にまた大きく成長していくことでしょう。

投稿: TMdestiny | 2006年2月 7日 (火) 21:15

TMdestiny様

コメントをありがとうございます。
この辺りから辛い展開になりますね。サガはお母さんのピアノの事となると平常心ではいられないみたいです。その辺りの感情を丁寧に描いていると思いました。

投稿: さいた | 2006年2月 8日 (水) 08:06

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今回は、消えたサガのお母さんのピアノを巡るお話でした。 前回のラストで突如売られ [続きを読む]

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